国民総出で、いま命がけで戦っている人たちを応援しなければならないとき。
とくに東電は原発での最悪の大惨事を防ぐという究極のミッションと
大停電を防がなくてはならないという、これまた究極のミッションの
2つを同時に対応する、今世界中で最大の難題に立ち向かっている人達だ。
他のその組織も真似できないミッション・インポッシブルをなんとか防ごうと頑張っている。
日本中、世界中が応援の大合唱をしてしかるべきだし、Twitterなどでも東電を応援する声が大きい。
僕らも、(規模や社会的重要度は比べものにならないが)絶対に失敗できないプロジェクトに関わるが、
そのプレッシャーと労力の中「応援」されるのと「批判」されるのでは士気に大きな差が出る。
2日、3日と徹夜が続く極限状態の中では、最後の気力がものを言うからだ。
しかしながらマスコミはそんな声に反して、「東電は、批判されて当然」などというコメントを書く。
例えば以下のような記事を見ると、本当に腹がたつ。
以下、原文のとおり。
電力不足の非常事態とはいえ、国民への説明を軽視した姿勢は強く批判されて当然だ。
東京電力が管内の1都8県(関東全域に静岡県の一部と山梨県)を対象に、14日から実施した「計画停電」のことである。
対象区域と時間帯をあらかじめ決めて周知し、停電しても混乱が起きないようにする仕組みだ。管内を五つのグループに分け、3時間ずつ電気を止める。4月末まで実施するという。
東日本巨大地震の影響で供給能力が落ち、早期に停電に踏みきらないと、より大規模な停電が起きかねないことは理解できる。
東北地方では完全に停電している地域が多く、東電管内の利用者も一定の不便を耐え忍ぶべきだ、との声もあろう。
だが、対象区域の公表が前日夜にずれ込み、当日の朝になっても内容が二転三転するなど、大混乱を引き起こしたのは問題だ。
政府と東電が、自治体や交通機関と十分協議しないまま見切り発車したのが一因だろう。とても「計画」の名に値しまい。
政府が13日夜、先に計画を国民に訴えるため、東電側の説明を遅らせた、との指摘もある。そうだとしたら、政府の責任は重い。
今後の計画停電の実施に当たっては、政府と東電が協力して関係機関との調整を進めるべきだ。内容をしっかり詰め、早め早めに公表していかねばならない。
東電の供給能力は、春季なら5000万キロ・ワット程度ある。だが、地震で福島第一、第二原子力発電所が機能停止した。太平洋岸の多くの火力発電所も止まった。
新潟県の柏崎刈羽原発も中越沖地震の影響で、フル操業にはほど遠い状況にある。
このため、14日の供給可能な電力は3100万キロ・ワットにとどまるという。一方、需要は4100万キロ・ワットと見られ、1000万キロ・ワット分不足する。これが計画停電に追い込まれた原因だ。
通勤通学の足となる鉄道や、多くの患者を抱える病院なども一律に対象とされた。国民生活に欠かせない機能を担うこうした機関は例外扱い出来なかったのか。
電力需要が急増する夏場には、再び計画停電を実施するという。それまでに電力各社間の融通体制を強化することが肝要だ。
東日本と西日本の電力会社は周波数が違い、簡単には電気のやり取りができない。周波数の変換所の能力を抜本的に高めるよう、電力業界は検討に入るべきだ。
(2011年3月15日01時43分 読売新聞)
計画停電 説明不足が招いた首都大混乱(3月15日付・読売社説)
説明してる隙がない緊急事態だってことは全日本人が知ってる。
計画停電のために各所への調整に奔走したであろうことも容易に想像がつく。
もっとうまくやれたかもしれない部分はあったとしても、この状況だ。できなくても仕方ない。
今日できなかったことは、明日以降は改善もするはずだろう。
説明が2転3転することも、臨機応変に、柔軟に対応した結果であり、
結果として停電を多数回スキップできた。
当初の説明よりも、良い結果となって停電が少なく済んだことを非難する意味が分からない。
鉄道各社との連携がとれておらず、交通網は混乱した。それは確かだ。
しかしそれは停電をアナウンスされた時から想像のついた話であって、
それについては、事態が好転はしなかったが悪化したというわけでもない。
しかし、計画していた停電をスキップしたことで、
例えば、多くの道路の信号が救われた。
道路の信号が止まるほうが事故などの命の危険は格段に高いだろう。
医療機関しかりだ。
そもそも、この大災害時に鉄道の混乱ぐらいなんだと言いたい。
首都圏含めて全てが停電が発生してしまえば、交通どころか全てが止まってしまう。
東電は今戦っている原発に集中することもできなくなるし、無関係の命が失われるかもしれない。
この事態に鉄道が混乱した程度でヒステリックに騒ぐ、馬鹿なマスコミこそが批判されてしかるべきだ。
これは国民の声に反しているだけではなく、国民の利益にも反する行為だ。本当に腹立たしい。
今はどう考えても我々は応援し、協力することしかできない。
とはいえ極限状態であればあるほど応援は心強い。
多少の混乱は我慢するから、原発と大停電の阻止に全力をあげてほしい。
願わくばマスコミの馬鹿な批判ではなく、応援の声が届くことを。