エンジニアのためのドラッカーの良い言葉
ドラッカーの名言集の中でも、エンジニアに最も適しているのが以下の「仕事の哲学」だ。
1ページ1文であり200ページ程度しかないのだが、凝縮された言葉ばかりなので、開くたびに大きな発見がある。
頭から終わりに向かって読み進める読書ではなく、別の使い方をするべき本だと思う。
時々パラパラとめくるだけで価値がある。自分の直面している問題についての明確な答が書いてあってハッとするという経験が度々あって驚く。
- 作者: P・F・ドラッカー,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2003/08/01
- メディア: 単行本
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例えば、以下の言葉はどうだろう。
知識労働者も経済的な報酬を要求する。報酬の不足は問題である。だが、報酬だけでは十分でない。知識労働者は、機会、達成、自己実現、価値を必要とする。彼らは、自らを成果を挙げるものにすることによってのみ、それらの満足を得ることができる。
エンジニアは報酬だけで動くわけではないというのは、自分と照らし合わせても分かることなのだが、
報酬以外に求めているものについて何なのだろうとモヤモヤと疑問に思っていたら、一言で表す言葉に出会った。
自らを成果を挙げるものにする。ことが、エンジニアを含めた知識労働者の満足感につながるというのは、自分としても納得ができる。
成果を得られるように支援することが、会社からエンジニアに提供できる価値なのだろう。
このほか、仕事に冠する具体的な助言も豊富だ。
成果を挙げるものは仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間が取られているかを明らかにすることからスタートする。次に、時間を管理すべく、時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。そして最後に、得られた自由な時間を大きくまとめる。
仕事よりも、計画よりも、時間からスタートするという発想は、明日からでも使える助言だ。
いきなり取り掛からずに、時間がかかっているところを第一に調べるという発想を聞くと、僕の得意なデータベースのチューニングを思い出す。
時間がかかっているところを知らなければチューニングは不可能だから、まず第一に計る。
仕事の効率化でも同じことで、常にどこに時間がかかっているかを知ることは大事だ。
久々に読んで色々と今の僕の問題を解決してくれる言葉に出会えた。