レベルエンター山本大のブログ

面白いプログラミング教育を若い人たちに

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SI開発におけるヒトとカネの話

エンジニアやりつつ、経営や営業をやっている。
このところずっと思っていることがある。

ソフトウェア開発という仕事の成否について、
失敗するのは金の使い方によってであり
成功するのは人の集め方によってである。

プロジェクトは、開発プロセスや、フレームワークやツールやサーバや言語で成否が決まるんじゃない。
開発プロセスがどーのこーのとか、僕もよく言ってたけどね。
極論だけれどもアジャイルでもウォーターフォールでも、なんでもいいって。
プロジェクトは、それを動かす人が良ければ成功する。

言い換えれば技術や方法論は、どうあがこうが組織に溜まるのではなく人に溜まるんだ。


だから良い人に任せたい。

現場マネージャーの立場で考えると、プロジェクトを回すとき
自社の優秀なメンバーばかりで固められたらいいのだが、
優秀な人こそ案件を抱えてるのでうまくアサインできるとは限らない。

自社社員だけで足りない部分をどうしても外部のエンジニアに協力してもらうのだが、
当たり前だけど、経験のあるエンジニアや技術力のあるエンジニアは高い。


でも失敗させたくないなら、エンジニアを値切らないことだ。
控えめに見積もっても優秀な人はそうでない人の2〜3倍の成果を出すのに、
月額単金は±30%も変わらないんだから。

いい人にはいい仕事をしてもらって、いい報酬を与えるべきだ。


プロジェクトの成功はヒトでしかないんだから。


エンジニアを値切らない代わりに応募してきたエンジニアは、厳しい目で精査したほうがいい。

技術力があることだけが重要なのではない、プロジェクトへの貢献を考えられる人かどうかも重要だ。
技術的な経験があるひとは自分のこだわりをプロジェクトより優先する人もいる。
自分のこだわりを捨てられるかどうか。自分のこだわりよりプロジェクトへの貢献を選べる人がよい。
こだわりのある技術者は仕事ができるにはできるのだが、変なこだわりでプロジェクト予算を食いつぶしてしまうことも多いからだ。


貢献を選ぶエンジニアのほうが周りのエンジニアに費用を残せる。
費用が残れば、チャレンジもできる、ピンチも救える。良いマシンで仕事をしてもらえる。
開発環境も本番に近づけられる。そしてまた良い人と仕事ができる。


そんなことで、人が動くにはお金がいるから
費用の「見積もり」は、プロジェクトの成否を分けるポイントだ。

見積について思うことは、

見積もった時点で、成功するかどうかはわからないが、
見積もった時点で、失敗するかどうかは決まる。

ということ。


予算は、プロジェクトという生き物が生きる原動力であり血液のようなものだ。
血液の豊富な人間が幸せになるとは限らないが、血液が足りなくなると人間は死ぬ。
同様に、プロジェクトでもお金があっても成功するとは限らないが、
お金をもらっていないプロジェクトは死に向かう。


成功プロジェクトは良い人を集める必要があり、
良い人を集めるには、最低限お金は必要だと、改めて思ったエントリでした。