レベルエンター山本大のブログ

面白いプログラミング教育を若い人たちに

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諸葛孔明の生産性

先日、ウチの中国人社員の一人が、

三国志の「草船借箭の計」の話をしてくれた。

三国志って男の子なら一度は

はまったことがある人も多いだろう。

僕もそうだったし。


孔明ってすごい。」

って子供心に思ったのを思い出した。


ところで、

常にプロジェクトを成功に導くエンジニアなのに、

作業はそんなに早くないって人に時々お目にかかる。

火消しエンジニアだったり、伝説のエンジニアだったり。


そういう人たちは、多かれ少なかれ「草船借箭の計」のような

発想の転換”で劇的な効果を上げている。


「草船借箭の計」というのは以下のような話だ。

諸葛孔明の智謀により、敵の水軍を戦わずして骨抜きにした周瑜だったが、

孔明の智謀に恐れを抱きはじめていた。

そこで周瑜孔明を呼び、10日のうちに10万本の矢を調達しろと、無理難題を押しつけた。

しかし、あっさり引き受ける孔明。それどころか「3日でいい」と言う。


この答えに周瑜は、孔明がホラを吹いて逃げ帰るつもりだろうと思ったが、

それを察して孔明は「もし3日以内に完成できなかったら処刑を受ける」との軍令状を書かせた。


1日目、孔明は、20隻の小船を用意させた。それぞれ数人の兵士をのせて青布を被せ、

その上に草をいっぱい差し込ませた。

2日目は寝て過ごした、

やがて3日目の夜、縄で20隻の草を挿した小船を繋げて、敵軍の陣営に出発するように命じた。


その夜は大霧がでており、自分の手のひらも見えないほどだった。

やがて敵軍の陣営に近づくと、孔明は兵士たちに陣太鼓を叩き、鬨の声を上げろと命じた。


敵軍の陣営では、不意に騒がしい挑発する声が聞こえたが、

霧がひどいため、矢を放って様子を伺うことになった。


豪雨のような矢が孔明の船隊に飛んできて、あっという間に船の上の多くの草に刺さった。

そして霧の晴れる前に、孔明は船隊を帰還させた。

草船に刺さった矢は、最高品質のものであり十万本を越えていた。

同じような「発想の転換」の例として

ワインバーグさんの「ゴミに熨斗をつけるな」というのがある。

「やらなくていいことをやらない」ってだけで「100倍の速さでやる」よりも早い。

ってこと。

こういう、発想の転換による効率化は、

「作業のスピードアップ」なんかでは到底追いつかない効果が得られる。


「発想力」や「クリエイティビティー」という能力も、エンジニアには大事だ。

正攻法でコツコツ作っていく方法をとる前に、まず考えてみることが必要だろう。


この話は、映画でも見られそうだ。
■RedCliff
http://redcliff.jp/