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ビジョナリーカンパニー弾み車の法則

「ビジョナリーカンパニー弾み車の法則」(TURNING THE FLYWHEEL)は90ページほどしかない書籍だけれど、重要な指針を書いてくれている良い本だと思います。90ページなので紹介もしやすいですね。

 

ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則

ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則

 

 

ビジネスモデルを構築する作業の中で、とても本質的な内容だと思います。

「弾み車効果(THE FLYWHEEL)」とは、アマゾンの戦略コンサルタントも努めた本書の著者ジム・コリンズさんが見出したものです。

 

良い会社から偉大な会社への飛躍とは、たった一つの決定的行動、壮大な計画、驚異的イノベーション、幸運、あるいは奇跡の瞬間がもたらすものではない。それはむしろ、巨大な思い弾み車をまわしつづけるようなものだ、と。

力いっぱい押すと、弾み車はほんの数センチ前へ動く。さらに力を込めて押しつづけると、ようやく1回転する。そこで手を止めない。押し続ける。

弾み車は少しだけ速く動くようになる。2回転、3回転押し続ける。・・・

1万回転、10万回転。すると、ある時点でブレイクスルーが起きる。およそ止めようのない勢いのついた弾み車は、飛ぶように転がっていく。 

 

そしてアマゾンでは、この弾み車を事業の中核に据えてモデルを考えていました。

 

ベゾスとその側近は、独自の好循環を図で表している。それこそがアマゾンの推進力になってきたというのだ。内容はこんな具合だ。

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『低価格が訪問客数の増加につながる。顧客増加が売り上げ増加につながり、手数料を支払うサードパーティーの売り手をサイトに引き寄せる。それによってウェブサイトを運営するのに必要な配送センターやサーバーといった固定費に対してより多くの売り上げをあげられる。効率性が高まることで、さらに価格を下げることができる。』

この弾み車の構成要素のどれをおしても、ループは加速するはずだと彼らは考えた。

こうして弾み車が回転し、勢いがつく。さらに弾み車を押せば、勢いは加速する。それを繰り返す。

ベゾスは、アマゾン成功の決め手は弾み車効果を活用したことだと考えている。とストーンは書いている。

  自社の独自性について考える|藤本正雄(ふじもと まさお)|note

 抽象化されていて、一見当たり前のように思えるかもしれませんが。大事なことは、一貫して好循環を回し続ける努力をすることですね。

 業績が急落したときにこの好循環を回すことに集中できるでしょうか。

 

ドットコムバブルが崩壊した混乱期に、ベゾス以下の経営陣がパニックを起こして弾み車を放り出して悪循環に陥ってもおかしくはなかった。

・・・

悪循環に陥った企業は、不本意な結果に直面すると、規律を失い、場当たり的な対応をするようになる。新たな救世主、流行や目新しい出来事、方向性に飛びつく。それはさらに不本意な結果を引き起こすだけだ。

・・・

一方アマゾンは、弾み車を堅持し、勢いをつけるためにその枠組みの中で積極的に確信を続けた。
 

 特に悪い環境になったときに、弾み車を回し続けることができるかどうかがポイントですね。 

 自分のビジネスでも、好循環のサイクルをどのように構築するかを考えて行きます。