リーンスタートアップは、このブログでも何度も取り上げた本で、僕らの会社が製品開発をする上で非常に参考にしている本です。

- 作者: エリック・リース,伊藤穣一(MITメディアラボ所長),井口耕二
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2012/04/12
- メディア: 単行本
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この本を精読するのは2度目ですが、サービスを実際に手がけるようになってから読んだので改めて考えさせられるポイントが多くて、立ち止まってサービスへの展開や次のアイデアなどに思いが散って、2回目の方が1回目よりも先に進まない状態でした。
リーンスタートアップの中核は以下の「フィードバックループ」というものです。
■「構築―計測―学習」のフィードバックループ
リーン・スタートアップは具体的には、「構築―計測―学習」のフィードバックループを通して、まず
要となる仮説に基づいて実用最小限の製品(MVP)をすぐに作って、実際に顧客に使ってもらった
実験結果から、成長につながる価値を学ぶ(検証による学び)という工程をくり返します。
「構築―計測―学習」というサイクルは「アジャイル」というキーワードが思いおこさせます。
リーンとアジャイルとは大きな方向性は合っているながら対象領域が異なります。
リーンの扱う領域は「計画段階」のサイクルであり、アジャイルが扱う領域はスタートすると決めたプロジェクトを「如何に素早く実現し価値を高めるか?」です
作るもののコンセプトが決まっているか決まっていないか?という違いですが、これはリーンが扱う対象領域のほうがより大きなリスクを背負っているといえます。
だからピボットという概念が出てきたりしますし、仮説と学習というフェイズに重点があります。
アジャイルの感覚で、リーンをやって行くと失敗するのは、
価値検証最小プロダクト(MVP)を作り込みすぎてしまうことです。
アジャイルは「作ること」にフォーカスを当てた考え方なので、価値を検証するのに最小限という感覚が少しずれます。
これは僕らの会社も幾度となく経験したことです。
例えば「社会人向けのSNSを作ろうとしている」として、
社会人に向けた「名刺交換機能」が必要とされているかどうかを検証するために
「プロトタイププログラムをHTML紙芝居でつくって使ってもらう」
という検証を実施するとしましょう。
でも、この検証方法は実はアジャイル的な手法といえます。
リーンが提唱するMVPの感覚では、
「人を集めてアンケート会を開く」レベルです。
このレベル感の違いを理解するにはやっぱり本を読むだけでは難しいことでした。
そういうことで、我々は「構築―計測―学習」のフィードバックループを形を変えて
「仮説→検証→学習」のフィードバックループに置き換えることにしました。
「仮説の検証」に意識的に重点を置いた進め方といえます。
リーンスタートアップの続きの本として「Running Lean」があります。

Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)
- 作者: アッシュ・マウリャ,渡辺千賀,エリック・リース,角征典
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/12/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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