レベルエンター山本大のブログ

面白いプログラミング教育を若い人たちに

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【有能リーダの鉄則】同コンテキストでの有能リーダ vs 無能リーダ

今僕らのプロジェクトは大きな危機に直面していると言える。

なぜなら、商流の変化からワケの分からない人が大量に流入してきているからだ。

それも、プロジェクトマネージメントメンバーとしてだ。



今、僕らが参画しているプロジェクトは、

某大手メーカーさんの優秀なエンジニアをかき集めた一大プロジェクトだ。

しかし、どれだけ優秀なメンバーを集めても、リーダシップをとるべき人たちがダメだと

プロジェクトは烏合の衆にならざるを得ない。

羊がライオンを率いる状況のまずさを実感する。



しかし、このプロジェクトの面白いところは、

過去の巨大なプロジェクトで功績のあった優秀なリーダ(AさんとYさんとYさんの3人)が

サブリーダ的なポジションにいて、リーダーの 無能 vs 有能 の比較が同一コンテキストで測れることだ。



プロジェクトは上流工程段階ですでに壊滅的だが

リーダーの資質についてエッジの効いたエピソードを集める

という意味ではおもしろいプロジェクトとなった。


リーダーの素質その1(説明の上手さ)

お客様とのミーティングはマネージメント層のみで参画する、

その後、プロジェクトメンバーに対するフォローアップミーティングを行うのだが、

このフォローアップで無能リーダーと有能リーダーの違いが浮き彫りになる。



簡単にいえば、無能リーダーは自分のタスクを消化することだけを考える。


例えば、この時の話だが

無能リーダーがメンバーを招集しての第一声が、(嘘みたいだけど)

唐突に「サーバー増設するんですが、スケジュールを決めます」だった。



と言いながら、ホワイトボードに顧客が要求するリリース日と

ものすごく短絡的な逆算の線を引き出した。

スケジュールを早くお客さんに出したいのだろうけれど、それにしても唐突過ぎる。


ミーティングに参加してない僕らは、まず何のミーティングかわからず、意見の出しようもない。

ミーティングで何が語られていたのかもわからないし、

自分が何のために呼ばれたのかすらわからなかった。



ただひとつ言えたのは、この人の下だと必ずデスマになるということだけだった。

僕らのチームも他のチームも考えたことは同じ。

これから始まるデスマに飲み込まれまいと自分たちの身を守ろうということだ。


これによって、プロジェクト全体が硬直状態となる。悪循環の始まりだ。



見るに見かねた有能リーダーがフォローのために口を開いた。

これによってようやく状況が理解できた。以下だ。

スマートフォン人気で、シングルサインオン系のサーバーが処理しきれず増設する必要があるらしい

しかしお客さんはサーバーを用意してくれず、

別機能として利用している有閑サーバーを引っこ抜いて、

ぶっ挿すという荒業を、しかもできるだけ早く(1ヶ月以内に)してくれとの要求だ。

だからこそスケジューリングを急ぐらしいのだが、無能リーダのような唐突な言い方では

どうにも状況が把握できず、逆線をひかれてどうもこうも言いようが無い。



Aさんはみんなが状況を理解できるように、背景やお客さんの思い、

リーダーとしての自分の思いなどをきちんと話に含めた。

お客さんの意思や、プロジェクトの置かれた立場がわかったことで

皆が当事者意識を持ち始めた。

そもそも、みんなそれぞれの技術分野の専門家であり、腕自慢のエンジニアたちだ。

事の重要性とむつかしさを認識し、また具体的に何を目指すべきかがわかったので、

潜在するリスクや、顧客との調整必要な事案など、活発な意見がではじめた。




僕がここで理解した有能なリーダの鉄則がある。

有能なリーダの鉄則

周りの知恵を借りろ、借りられるように背景を説明しろ



アンチパターンとして無能リーダーの鉄則を上げる

無能なリーダの鉄則

無能リーダーになりたければ、「自分の仕事」の消化を一番に考えろ。


リーダーの素質その2(聞く耳と自信)

ダメなリーダーの下では、やたらミーティングが多い。

個人的に笑ってしまったのは、「内部レビューのプレレビュー」が催されたことだ。

「どんだけ自信ないねん!」と、周知メール見て突っ込んでしまった。

リーダー陣が顧客へ出す資料をつくるたびにこの調子なので、時間がかかって仕方ない。


有能なリーダの鉄則

優秀なリーダは1度だけ意見を求め、あとは自分で決める。

まぁ、これはリーダ論としては、あまりにも当たり前のことである。



むしろ、これは無能リーダの鉄則に反面教師的な価値がある。

無能なリーダの鉄則

無能なリーダは人に決めてもらおうと、何度も同一事案でミーティングを開く。


あと一歩まで詰めてから、ミーティングにかければこんなことにはならないはずだ。

リーダーの素質その3(可能な限り持ち帰らない)

上記のような経緯で無能リーダーによって催されたミーティングやレビューでは、

詰まりきってない資料をレビューするため、

当然優秀なメンバーからは、一言一句に及ぶまで指摘が入る。


その指摘を全てペンディングにするから話が進まない。翌週リベンジするのだが

そこでもまた検討課題にするので本当にキリがない。


無能なリーダの鉄則

決定事項より保留事項(ペンディング)の方が多い。


有能なリーダの鉄則

決めるために人を集め、決める準備をしてくる。だから持ち帰りが少ない。大勢の場で決められることの効率のよさを知ってる。




毎日この調子だから思いやられるが、

有能・無能リーダの比較のエントリにはこと欠かないので、

ネタ元として有効活用させてもらおう。