レベルエンター山本大のブログ

面白いプログラミング教育を若い人たちに

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革命に必要なのは英雄や発明だけではない。多くの熱い血を礎にした時勢が必要だ。

プログラマーの誇りを見せ付けろ - 山本大の日記
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プログラマの誇りを減衰しないビジネスモデルを - GoTheDistance
プログラミングに誇りを持ちたいなら単価を上げること - yvsu pron. yasトラックバックに励まされ、
またまとまりもなく少し意見を書きます。


この業界の構造を変えるために必要なのは、

有名企業や英雄的なエンジニアによる画期的で斬新なアイデアだけではなく、

時代の勢いだと思っています。


小さなソフトウェア会社の一人一人のエンジニアの意識が、時代の勢いになるのだと思います。


僕は、1人の顧客、1人のエンジニア、1人の経営者から

技術を重視するように意識を変えていきたいという思いがあります。



だから、僕の取り組みは、先のエントリのように、当たり前の些細なことです。

つまり、自分が担当したお客さんにキチンとしたソフトウェアを使ってもらうこと。

エンジニア教育の仕事をやっているので、大手SIerさんの新人研修の中で、

技術の空洞化の現状と、技術の大事さを説くこと。


そして、

我々のような小さなソフト会社が、

技術を武器にして大きくなっていくという成功譚を築いて

小さなソフト会社ロールモデルを作りたいと思っています。



クロノスは大阪を拠点とした小さなソフト開発会社です。

すばらしいビジネスモデルがあるわけでもありませんが、

技術重視の文化を育ててきた会社です。


夢を実現するためにやっていることは、以下のようなことです


  • 技術力を大事にする

例えば分かりやすいのは、IT資格に対して月々の給与に手当てを出しています。

資格を取ったら、取った月だけ手当てをもらえるのではありません。

その代わり、基礎的な資格を1年たっても取れなかったら退職してもらうことがあります。

  • 社員を大事にする

顧客満足と、企業利益だけではなく、

エンジニアの満足度

まで満たされることをやりたいと思っています。

もちろん、不況なのでそうも言ってられない状況はありますが、

基本理念としてはそうです。


だから例えば、無理には受託案件はやりません。

比嘉さんからは「元請にこだわれ」というご意見をいただきましたが、

僕らにはまだ元請としての仕事はできません。

小さい会社なので与信が通らないというのもありますし、

僕らの船では、河川は渡れても海は渡れません。


僕らは船と船員と船員同士が生み出す呼吸や文化だけが武器です。

十分にそれらがそろうまでは、自分達の船での大航海は、我慢しようと思っています。


色々なSIerさんで、不幸なエンジニアを生み出す構造を見てきましたが

その原因は、身の丈に合わない案件を利益優先で獲得したことが一つではないかと思っています。

僕らは、身の丈にあった仕事を積み重ねていくことが、大事だと考えています。



他の会社に移ればどうだという意見もあるかもしれません。

実は、ある時、ある会社さんに、

今の倍の給料での引き抜きのオファーもいただきましたが、

でも、即刻丁重にお断りさせていただきました。



成長の過程の中で文化が生まれるので、

出来上がった文化を組み立てなおすことは難しいのです。

会社を育てていく過程がなければ、僕のやりたいことは達成できません。




僕らの会社の掲示板のTopページに長らく掲げられていた言葉があります。

小さなことを積み重ねることが、
とんでもないところに行くただひとつの道だと思う。

イチロー

地道なことこそをやりたい。



多くの人のおかげで随分時代は変わっていると思います。

とくに、20代や、僕ら30代は、オープン系という言葉が定着してからの世代であり、

新しいものを吸収することについて抵抗がありません。


この不景気で、多くの石頭たちが業界を去ることでしょうから、

成果が出る日はそう遠くないのではないかと思っています。