レベルエンター山本大のブログ

面白いプログラミング教育を若い人たちに

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僕なりの業界の変え方

僕は開発現場にも出ていますが、ITの講師もしています。

毎年4月には、他社さんの新人教育を担当しています。


教え子たちにはJavaの基礎と共に、この業界の問題点についても教えます。

技術の空洞化や、大手SIerのゼネコン化についても教えます。


若年層から「マネージメント経験」と称して、

人のマネージメントをやらせ、

技術のマネージメントができず、実質はただの人材ブローカーに

なってしまっている現実についても教えます。


君たちの入った業界には、こういった問題がある。

君たちの入った会社にも、恐らくその問題はある。

料理をしたことの無い人が一流シェフにはなれないし、

厨房を仕切れはしないし、レストランの経営もできないんだ。

IT業界も同じだ、とも教えます。



教え子らの中には、ショックを受ける人もいます。

夢と希望を持って入社してきた人もいるからです。


こう付け加えます。


「正しいことをしたければ、偉くなれ(和久 平八郎)」




そして技術の研修の中では、技術の楽しさや面白さ、

プログラムが動くことの喜び、プロジェクトを完遂することの喜びを

できるだけ教える講義を心がけます。


プロジェクトの例として、学園祭を例えに出します。

みんなで1つのことをやり遂げるのは、めちゃくちゃ楽しいってことを教えます。

数年後に同じメンバーが集まって、酒飲みながら当時の苦労話するのは、さらに楽しいってことを教えます。

そういったプロジェクトをたくさん経験できる、すばらしい仕事だってことも教えます。

でも、実際に学園祭の準備や当日の仕事の中で汗をかかないと、

楽しくはないんだってことを教えます。


そして、模擬プロジェクトを通じて、そのことを実感してもらいます。



研修を終えた教え子たちが、この業界の大手さんで働いています。

ジレンマを感じることはあるようです。

実際に、1年後 2年後、再会したときにジレンマを感じている人たちがいました。


「PGなんて外注に任せたら良いんだ」

なんて言って社風にどっぷりハマッてる人もいました。(冗談ぽかったけど)


でも、彼らが出世して、少しでも技術を楽しみプロジェクトの完遂を

喜び楽しむ気持ちを忘れずにいてくれたら

この業界もかわるかもしれません。それは俺の夢がかなうことです。



業界を変える方法は、ひとつだけではないと思います。

現場で、社内で、コミュニティーで、ブログ上で、

さまざまな活躍をして業界を変えようとしている人たちがいます。

全ての方法が正解なのではないでしょうか。

ひとつの方法だけでは変わらないと思います。


僕にも僕のやり方があります。



数年前の僕の夢は、

「成功プロジェクトを自分で回せるようになること」でした。

多分、数年前の僕の夢はかなっています。


振り返ってみると、そこまでの道のりにある毎日はとても地味なものでした。

勉強と、挫折と、日々の業務です。

毎日、地味な作業に追われ続けました。

夢がかなった実感もおぼろげです。

夢が進化するからです。

でも結局それが夢をかなえるってことなんだと思います。

だから、また僕は新しくて地味な作業を積み重ねます。