「小さく初めて大きく育てる」
という言葉は、ものごとの第一歩を踏み出すための
勇気を与えてくれる良い言葉だと思う。
ただし、SIの大きなプロジェクトでこの言葉を鵜呑みにして
はじめから小規模プロジェクトと同じように進めてはいけないと感じる。
最近感じた、プロジェクトでの「育てる発想」の1つの限界は、
小さなプロジェクトと大きなプロジェクトでは、発生するリスクが全く違うこと。
抽象的な例え話をすると
「池」、「湖」、「海」は、
どれも水がたまっている場所であることに変わりないけど
それぞれの水場を「渡る」と考えたとき、取るべきアプローチは全く変わるってこと。
「泳ぎが上手い人が、海を渡れるとは限らない。」さらにいえば
「海を渡るなら、海を渡る準備が必要。」だと思う。
「大は小をかねるかといえば、そうでもない」というのが実感で
「大きいもの」と「小さいもの」では、様子がまるで違う。
巨大な案件は、当初から相応の人数が必要だし
巨大な人数をうまく動かすための仕組みが必要だ。
小さな案件では、素早さが最重要だ。
成果が、細かく見える形で進めるという意味で
「小さくはじめる」という標語はとてもいいけど、
大きな仕事であれば、
大きく育てることをあらかじめ念頭において進めるべきじゃないかな。
逆に、小さな案件は、大きな案件の経験があっても
気を引き締めなくてはならない。
実は、今の僕には、後者(小さな案件)の方が切実。