レベルエンター山本大のブログ

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知識労働業界の組織論

「優れたソーシャルモデルは、優れたビジネスモデルに勝る」

http://capsctrl.que.jp/kdmsnr/wiki/bliki/?RoysSocialExperiment

これはマーティンファウラーの所属するThoughtWorks社の設立理念です。

平易な言いかたに変えると

「優れた組織モデルは、優れたビジネスモデルに勝る」

といえるのではないでしょうか。

僕はこの考え方が、しっくり来ています。


「組織モデル」という言葉がわかりにくければ、

組織の文化と読みかえてもいいかもしれません。


優れたビジネスモデルをもっていても、

きちんとした組織文化が成り立っていなければ

大きな仕事は成立しないと思うのです。


我々の業界というのは、IT業界と言う枠組みではなくて

知識労働産業」だと思っています。

知識労働(ナレッジワーク)において、最大の武器は知識(ナレッジ)です。



「Know Who」という言葉は有名ですね。

ざっくり言えば

「自分は、その分野については知らないけれど、
 自分は、その分野に詳しい人を知っている。」

ってことです。

この言葉は、

「特定分野のナレッジについて、背中を任せられる人を知ってる」

って事だと解釈もできます。

Know Whoがあるから自分は自分の専門分野を極めることに専念できる!

これこそが、組織の強みでありソーシャルモデルの理想系なのだと考えています。



年を重ねるごとに、続々出てくる新技術を追いかけるのが辛くなると聞いています。

そしてその感覚というのは、現時点でもわかるような気がします。

いつぞや、ナレッジは重要ということもわかっているが追いきれないという

ジレンマが必ずやってくるでしょう。


そういったときに、新しい技術分野のナレッジを後輩に任せられるというのは

「なんて心強いんだろう!」と、最近切実に思います。


私自身で考えても、

すべての新技術と、既存技術の最新状況に加え、

マネージメントや各業務分野の業務知識、製品ラインナップなど

すべてに精通することはできません。

でも、それぞれを専門とする後輩が育ってきています。

これによって、私ができなくても後輩にお願いすることができます。



それから組織の中には「ゆるく」やって行きたいと言う人もいます。

それもとてもありがたい力を提供してくれていると思います。

先端のことだけやっていても、儲かるとは限りません。

安定的にやっている人がいるから、どっしりとした組織になると思います。



じゃあ、次の自分の役割は?と考える事ができるようになりました。

プロジェクトマネージメントを極めるも良し!

要件などの前工程に進むも良し!

製品開発に進むも良し!

経営に専念するも良し!

「背中を任せられる」ってこういうことなんだろうって、実感します。



つまり、特定分野の最新技術を任せられる、

背中を任せられるメンバーがいる組織だから、

自分の好きな分野、やりたい分野を思いっきりつき進めると思うのです。

ナレッジを武器にする組織は、Know Whoを突き詰めて

しかもそれが協調動作するようになっているべきかなと思います。

まとめ

知識労働産業での優れたソーシャルモデル(組織モデル)とは、

特定分野のナレッジをもった個々が協調しながら

大きな仕事をするための組織だと思います。