レベルエンター山本大のブログ

面白いプログラミング教育を若い人たちに

「ビジネスモデル創造こそ究極の設計だ!!!」というとで体験と気づき

ビジネスモデル創造は、究極の設計だと思います。

ということでウチの会社ではリーンスタートアップに習って新しいITサービスを作ろうとしているのですが、
既存事業であるラーニングサービスで最近、新しいビジネスモデルの立ち上げで成功体験がありました。

この新モデルを一言で言えば

「新卒人材紹介会社さんが集める文系学生のためのIT研修サービス」です。

ソフトウェア開発での新サービス開発でも役立てたいと思い、言葉にしておきます。

まずは「気づき」を紹介しようと思います。
そのあと、ビジネスモデル確立までのアプローチを説明しますが、ちょっと長文なので、「気づき」だけを読んでいただいてもかまいません。

気づき1:「提供できる価値を持たずに、価値は提供できない」

あたりまえみたいな話ですが、ビジネスモデルのどこかで、自分たちはなんらかの価値を提供しなくてはなりません
クロノスのラーニングサービスは、IT教育という価値を提供できる前提があったため、その価値をどのような課題に対してどのような枠組みで提供するか?というところで軸を決めて施行錯誤が可能です。

「提供する価値は何か?」を持っていると軸になるので仮説・検証など模索のブレが少ないと思います。

今までソフトウェア開発で試行錯誤を繰り返していましたが、どんな価値を提供できるか?を考えるのを後回しにしていたように感じています。
「プロダクトアウトは悪だ」みたいに思い込んでいる節があります。(昔はそういわれていた時期もあったので)

提供できる価値をすでに持っているなら、それは無視せずに歓迎したら良いですし、提供できる価値を軸に模索をするのも1つの方法だなと感じています。

気づき2:ビジネスモデルは考えるものではなく、動く中で発見するものだ

ビジネスモデルを確立するために、考えて考え抜いて企画書にしても、予期した通りにすすむことは、ほとんどあり得ないと感じます。

「※ただし摩擦係数は0と考える」な企画では走りだしてすぐダメになるのです

現実はそんなものではないし、自分たちの置かれている状況のいろんな変数が関わってくるので、考えるだけではなく、走る必要があります。
僕らが見ていた変数というのは「顧客」「課題」「価値」です。
それらをちゃんと分析して、ちょっとづつそれぞれの変数を軌道修正しながら走ることが重要かなと感じました。

気づき3:正解が成功するとは限らない

我々は顧客である人材紹介会社さんに、早期からリーチしていましたが、提案から1年以上放置されていました。
それが最終系の「正解」とほとんど同じ形だったのですが、タイミングによって響き方は違っていたようです。
諦めてやめてしまわないことが大事だなと感じています。

気づき4:顧客に価値を伝えるには提案書だけでは響かない。実感してもらうのが強い

ビジネスモデル構築の中で、ペーパープロトタイプなどできるだけ手がかからずに実践できる仮説・検証を重視しすぎると、顧客が価値を認識する機会を失ってしまっていることがあると感じています。
最初は、どうやって価値を実感してもらうかを1人の顧客だけをターゲットにして実践すると良いのではと思いました。

気づき5:一方だけが必要性を感じてるようなものでは成り立たない

当たり前のことですが、win-winは必須なんだなと思いました。
当初想像していた以上に、このバランス感覚はいろんなところで重視した方が良いです。

気づき6:「課題」が強ければ強いほど解決する意味がある

プロダクトアウトが失敗しやすいのは「課題」が明確ではないものに無理矢理、「課題解決」を付け加えるからだと感じます。


※ ここまでが気づきです。下記アプローチはお時間があれば。

ビジネスモデル確立までのアプローチ

では、このビジネスモデルの背景にある課題をちょっと整理してみます。

【関係者のそれぞれのプロファイルと課題】
  • 関係者1:就活中の文系の学生さん
    • 文系の人
    • 就活の中
    • 時代のニーズやモノ作りの面白さなどからソフトウェア開発にも興味を持っている
    • 「課題」まったく未経験であるため、教育してくれるところでないと就職は難しい
  • 関係者2:中小のITベンチャー企業
    • 有名企業ではない
    • 「課題」中途採用で経験者が採用できないという課題を持ってる
    • 「課題」新卒採用しても、費用、講師リソース、研修場所の理由で新人研修ができない
  • 関係者3:新卒人材紹介をしている紹介会社さん
    • ITベンチャー企業から理系学生のオファーが殺到している
    • しかし理系学生やプログラミング経験者は需要が高いためマッチングしない
    • 「課題」文系の学生さんは、やる気やコミュニケーションスキルは高いもののベンチャー企業では面倒がみきれないとの理由で提案でマッチングしない
  • クロノス:
    • 関係者3の人材紹介会社さんから、3年連続で文系の学生を採用している。
    • 新人研修に自信がある(提供できる価値)。
    • 研修後にプログラマーとして開発現場に出た文系の社員さんは、1年目ながら顧客マネージャーさんから「2、3年目以上に実力がある」と評価されている。
【アプローチ1】

最初に我々がアプローチしたのは関係者1の「学生さん」です。
面接指導、業界説明会、IT体験などをパッケージにして提供しようとしました。
関係者3の紹介会社さんに学生さんを集めてもらってアプローチしました。

しかし、このモデルは現時点でもうまく行っていません。
まずは、顧客(学生さん)へのリーチが他力本願であるということ。
自力でリーチできないのはサービス成立が難しいです。
価値を信頼してもらうのに時間がかかると感じています。

研修がはじまると受講生と密接にコミュニケーションをとり信頼関係ができるので、クロノスは学生さんとの関係づくりが上手いと思い込んでいました。
だから学生さんの課題を一番に解決してあげたいとも思っていました。
しかし、実態はクロノスは「学生さんと関係を構築する」部分はできても、「学生さんと切っ掛けを作る」ところはそれほど強みが無かったと思います。

【アプローチ2】

次に注目したのは、関係者3の「人材紹介会社」さんでした。
人材紹介会社さんの課題は、「文系学生が飽和し、顧客にはITベンチャーさんが多い」ということでした。
2年ぐらい前から、こういった人材紹介会社さんには

文系の人をITベンチャーに入れるレベルにする教育カリキュラム

を提案していました、非常に感触はよかったものの、なぜか動き出すことはありませんでした。

今になって思えば、ただでさえ現業で忙しくしている彼らの背中を押せていませんでした。

人材紹介会社さんにとって「教育」は先行投資になってしまいますし、自分たちが呼びかけて集まってもらった学生さんは大事にしているとはいえ、自分たちがお金をかけてIT教育するほどのつながりかどうかも、かなり微妙だと感じていたに違いないと思います。

【アプローチ3】

人材紹介会社さんへのアプローチは、1年以上放置状態だったので我々も少しだけあきらめモードでしたが、状況が一気に変わりました。

関係者3の中小ベンチャー企業さんから、クロノスに

「研修で困っている、もっと言えば採用も困ってる。」

という依頼があったことが切っ掛けです。

クロノスが提案したのは、関係者2の「人材紹介会社さん」を、
この関係者3のベンチャー企業さんに紹介し、我々はその教育をさせてもらうということでした。

我々が提案しているビジネスモデルに価値があるんだということを実感してもらうために引き込んだ形です。

人材紹介会社の担当の方が
「自分たちのビジネスに武器になる」と
目の色が変わったのは、この辺りではないかと思います。

【アプローチ4(最終)】

我々は、採用と研修に困っているITベンチャー企業さんをそれほど沢山つながりがあるわけではなく、営業力もないので、やはり人材紹介会社さんとのコラボレーションがどうしても必要だと感じていました。
人材紹介会社さんも、このコラボレーションが自分たちの武器になるということがリアルに感じられたので動いてくれたということかなと思います。

ビジネスに関わる1人だけが必要性を感じてるようなものでは、やっぱり成り立たないということと、ターゲットにする課題が強ければ強いほど解決する意味がある。このあたりは、リーンスタートアップで学んだ通りと感じました。

人材紹介会社さんが募集した学生さんに、我々が研修サービスを提供するという流れができました。
実際に、研修を実施してみるといろいろと細かい課題が見えてきますが
いったんビジネスモデルとしては成り立ったかなと思います。

まとめ

  • 「提供する価値」で強いものを持っていると軸になるので模索のブレが少ない
  • 「※ただし摩擦係数は0と考える」な企画では通用しない、動きださないと企画ですらない
  • 正解が成功するとは限らない
  • 関わる1人だけが必要性を感じてるようなものでは、成り立たない
  • 「課題」が強ければ強いほど解決する意味がある
  • 顧客に価値を伝えるには、提案書だけでは響かない。実感してもらうのが強い