レベルエンター山本大のブログ

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はじめてのリーダ、管理、マネージメント

教え子に「マネージメントって何ですか?」「マネージャーって何する人ですか?」と問われた、
その昔僕も「マネージャー」とか「マネジメント」ってのがよくわからなかった
その時の気持ちに戻って、少し整理してみようと思う。


結論から言うとマネージャーは、責任者である。

マネージャーが何をするべきかの定義はない。
責任が取れるなら管理なんかしなくてもいい。なにもしなくてもいい。
でも世の中そうはいかない。


マネジメントは、幅の広い言葉であるため様々な側面をもつ。
リーダ、管理、マネジメントが渾然一体となって語られることが多いが異なるので、初めてリーダーやマネジメントを経験する者(過去には私もそうであった)にとっては話が少しややこしくなる。


以下、僕が理解した定義を記す。

リーダ 管理者 マネージャー
意味 率いる人。目的や方針を決め導く。 道から外れないように統率したり維持したりする人。 目的達成に責任をもつ人。責任者。
現場での位置 仕様を決定し、折衝窓口となる 進捗やルールを見守る プロジェクトの周辺のあらゆる問題を取り去る。説明責任、結果責任を求められる。

リーダーシップ、リーダーとは

率いる人を言う。目的や方針を決め導くことが役割である。


開発現場でのプロジェクトリーダーは、大きな意味でのリーダではなく
仕様や、進捗や、ミーティングを仕切ることは開発プロジェクトのリーダの役目とされる事が多い。
スペックリーダー(仕様決定者)や、折衝の窓口となることで、
プロジェクトを成功に導くのがプロジェクトリーダーの役目だが、
一般用語としてリーダーというともっと幅広い言葉で使われる。


導く人。仕切る人。会社の最高のリーダーは社長であり、お昼のリーダーはタモリさんだ。

管理、管理者とは

筋道(理:ことわり)から外れないように、統制したり維持したりする人を言う。
運営をしていくことが役割である。


管理という仕事は、下につくものからすると分かりやすい。
チームのメンバーは被管理対象要素の1つであり、管理・被管理は上司との数少ない接点だ。
進捗を聞かれたり、遅れを取り戻すためにお尻を叩かれたり
ああしろ、こうしろと、上司が口をだすのはその人が管理者だからだ。


管理手法というものが、管理者によって様々で個性が出るし、
管理は明確な作業が発生しているので、下から見上げていて分かりやすい。


そのため「マネージャ」=「管理をする人」と誤解することがある。


僕自身、そのように思っていたが、実際はイコールではない。


実は管理は、誰がやってもいい。


リーダーが管理をする場合もあるのだ。

マネジメント、マネージャーとは

一言で言えば、目的達成に責任もつ人を言う。
(その目的達成に対する)責任者である。
責任の中には、関係者への説明責任を含む。
マネジメントという英語を「管理」と訳すよりは、「経営」と訳す方が適切だろう。


目標達成の為に、管理が必要となることも多い。
マネージャーは、全責任を負っているので
野放しで他人にプロジェクトを預けていると、
不安になってくるから自分で管理をする。


管理のほかにも、目的達成のためのあらゆる事がマネージャーの仕事となる。
開発プロジェクトで言うと、人のアサインや課題の収束などが必要となる。
いろんな雑務が含まれているのだが、本質は責任をとることだ。


マネジメントは、リードや管理よりも広い範囲を指す。
なぜなら、目的を達成するというマネジメントの役割を果たすためには、
第一に目的や方針を定めなければならない。
そして人(時には自分一人)を導き、道から外れないように統制しなければならない。
目的を達成するためには、リーダーシップと管理能力は欠かせない。


リスクに対して切れるカードを持っていなければならない。
助けとなってくれる人のつながりを持っていなければならない、
助けてくれるチームメンバーを育成しておかなければならない。


また、説明責任を果たすための思考能力とコミュニケーション能力、表現力を持っていなければならない。
目的を明確化するリーダーシップを持っていなければならない。
道を外さないようにするための、統制能力を持っていなければならない。

これほど多くのスキルを必要とするのだから、マネージャーが重宝されるのは当たり前といえるかもしれない。



マネージャーが大変だってことが分かっただろうか?

事業主みたいなもんだ。

しかし仕事とは、そもそも「割り当てられた責務を全うすること」だ。

だからって、「マネジメントとは仕事そのものだ」って言うと、
なんだか話がややこしくなるので忘れてもらって構わない。


とにかく、マネジメントやリーダの予備軍の人や、今まだ直面していないが将来志望している人は、
自分が今のプロジェクトの最高責任者であると仮定したシュミレーションを、是非常に意識してみてほしい。

日頃上司の愚痴ばかり言っているような人でも、その責任感を具体的にイメージすることができたなら、きっと立ちすくんでしまうことだろう。


ただ世の中、管理だけして責任は人に押し付けるマネージャーも多いけどね。


追記(日々思うこと)

責任取れる人は偉い人。しかし偉い人が責任とるとは限らない。