レベルエンター山本大のブログ

面白いプログラミング教育を若い人たちに

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業界の文化と戦え!教え子達の配属1ヶ月目の苦悩

研修が終わって教え子達が配属されて1ヶ月。

大学までの常識と、この業界の常識の違いに苦悩している者が多い。

異様なのは、彼ら新人達なのだろうか?


一人の教え子が言ってた。

「挨拶をしても、返してくれる人がいないんです。
 それどころか、あまりに元気良く挨拶すると、みんな迷惑がっているように思えています。
 しかもOJT担当の人から『ここではそんな挨拶なんか要らないよ』
 と注意まで受けてしまいました。」


僕はいろんなエンジニアを見ていて、

挨拶もできないエンジニアはほとんどが大成しないって知ってる。

技術的に素晴らしくても、業務にめちゃくちゃ詳しくても上のポジションには行けない。


なぜなら、SIerはサービス業だからだ。

例えばオーダーメイドの洋服の店で、品物が良くても礼儀のなってない店についてどう思うだろうか?

品物がたいした事ないなら余計にそうだ。


OJTの人というのは、2〜3年目の先輩だろう。

彼も新人の頃は、そのギャップに戸惑ったはずだ。

しかし、確かに現場の空気として皆挨拶とかしないから、自分達もいたたまれなくなってやらないというようになる。

そうやって文化がつくられていく。


こうやって形成された異様な文化は、エンジニアの地位を下げている一因なのだと思う。


エンジニアは、ただでさえ技術オタク・得体の知れない人種というレッテルを貼られやすいのに、

挨拶もできずぼそぼそと喋るようなら、それを立証するだけのことだ。

ユーザー企業側の情シスとしてSIerと接していた時期があるけど

ユーザー企業の人からみたSIerの人物評は、エンジニアが思っている出来る人像とは乖離がある。

だれだって、気持ちよく働ける人と一緒に仕事がしたいから、得体の知れない人は評価されにくい。


普段出来ていないことは、お客さんの前だけで急にやれない。

協力会社の入れ代わりなどが激しく、フロア内でも見知らぬ人が多いという業界の特徴からも

そういった挨拶軽視の文化ができているのかもしれないが、

見知らぬ人だからといって挨拶して何の損があるのだろうか?



新人を指導するのは、上司や先輩の役目だ。

しかし、新人という異質の文化から何かを学ぶことを忘れてはいけない。

組織の文化をブラッシュアップするチャンスなんだから。


上のギャップに苦しむ彼は、1ヶ月にして文化のプレッシャーに負けているそうだが、

負けてやる必要はない。

ここで踏ん張れば間違いなく2年で結果となって現れる。


僕の教え子が先輩になったとき、きっとこの業界の文化をまっとうなものにしてくれると信じたい。