レベルエンター山本大のブログ

面白いプログラミング教育を若い人たちに

情報を血肉にするために必要な3つのこと

ネットサーフィンで情報を得るだけで勉強した気になって

何も身についていないということはありませんか?


今月は、ずっとIT講師をしているのですが人に何かを教えるとき、

情報を伝達するだけのやり方には限界があります。

情報を血肉にするためには、僕は以下の3つのことが大事だと思っています。

1.失敗する機会
2.失敗について考える時間
3.反省したことを活かす次のチャンス


先週の講義の中でグループディスカッションとプレゼンテーションの演習をやりました。

この演習が効果的だったと思うので、そのお話をします。


最初の題目は「10年後のインターネット像」についてです。

1.失敗の機会

研修生たちは、ブレストや3段論法など様々なディスカッションの技法や

プレゼンテーションの技法を学び知っているのですが、それはただの知識に過ぎません。

グループディスカッションをはじめるとそれぞれ知っているやり方ではじめます。

しかし、時間制限があるにもかかわらず、無計画に進めているようでした。


案の定、1回目のプレゼンは、まとまりのない内容となっていました。

頭の良い研修生たちなのですが、それだけによくあるバズワードが満載で

焦点の絞られていないプレゼントなっていました。


明らかに時間切れでまとめきれていなかったチームもありました。

2.考えてもらう時間

失敗を知るには、誰かに言ってもらうことが一番です。自分では認めたくないものですから。

そして、失敗を知らせた後はヒントを与えました。

考えるヒントを与えればその人の中で過去の経験などと融合して爆発的に伸びることがあります。

例えば良い本を読むと、知識を与えてくれるだけではなく、対象について考えるヒントが得られます。

自分の中で化学反応のようなものが起こって、1つのことを聞くだけで2も3も与えてくれる本があります。


プレゼンを終えた彼らに伝えたことは以下です。

・成果を上げるには、仕事でも計画でもなく時間から始めること
 →「時間の目処を立ててから動くべき」というドラッカーの言葉

・第一に何を伝えたいのかというメッセージを考えるべきであること

彼らは、改めてプレゼンで必要なことを考えはじめました。

3.反省したことを活かすチャンス

失敗を振り返るチャンスはすぐに与えた方が良い効果が出ます。

じっくり反省会をするのではなく、次の目標のために走りながら考えることが

実は奥深く考えるために重要なことなのだと思います。


だからその日の午後すぐに、第2回目のグループディスカッション+プレゼンを同じチームでやりました。

次の御題は、「10年後主流となっているネットビジネス」です。


明らかに、この回でのプレゼン能力は向上が見られました。

メッセージ性があり、資料にも十分なまとまりがありました。

次の失敗

さらに2回目のプレゼンでは、彼らが次の「失敗」を感じるための仕掛けをしました。

それは聴衆側に、プレゼンの批判的評価を書くことを強制したのです。


通常、プレゼンに対する批判的な意見は聞くことができません。

しかし、ベテランエンジニアのプレゼンであっても、完璧なものというのは滅多になく、

「早口すぎる」とか「資料が見づらい」とか、何かと改善点はあります。

お客さんや上司からそういった批判意見が聞けるならまだ幸いですが、

実際は、批判意見を面と向かっていってくれはしません。



プロの営業マンのプレゼンを聞いていても、他者の批判意見を受けたことがないと思われる

ひどいプレゼンもよく目にします。

・早口
・一般的でない横文字言葉を多用する
・資料の文字が小さく(10ptなど)、ごちゃごちゃしている
・画面ばかり見ている

などは指摘されれば次第に直ることですが、指摘されなければ中々気づきません。


同僚であれば、批判意見を言い、聞くことができます。

そのメリットについて詳しく伝えてあり、また強制されていることが皆わかっているために、

批判的意見を受けても、素直に受け止めることができます。また喧嘩になるようなこともありません。


全員の批判意見を全部読んだあと、酷い批判をうけたのは初めてだったのでしょうか。

彼らはそれぞれにショックを受けていたようです。

次の考える時間

全員の批判意見を読んだあと、グループ内で反省会を開いてもらいました。

改善点を話し合う中で、得られたものは大きかったようです。

そして、次のチャンスまではしばらく期間をあけています。


次はじっくりと考える時間を与えたいと考えました。

彼らが挫折感をじっくり反芻するほど、成長につながるからです。

次回、また同じチームで別のディスカッション+プレゼンをやろうと思います。



新人でないエンジニアの方においては、

「失敗する機会」、「失敗について考える時間」、「次のチャンス」を

自分で作り出してみるという学習法を構築してみてはいかがでしょうか。